19世紀になると、
科学を大きく自然科学と精神科学*に区別することが一般的になったが、
(*精神科学...自然科学に対して用いられた分類で
19世紀以降のドイツの学者に好んで用いられた。
人文学、社会科学など)
心理学はこのどちらか一方にのみ所属している学問ではない。
すなわち、心理学は物理学などの自然科学とも方法論を共有していて、
観察された客観的データなどから法則や理論を導くという側面を持つ。
一方、精神科学という言葉が意味するものは、心や意識の研究、すなわち
心理学に限るとはいえない。
歴史学や経済学、社会学なども精神科学に当たる。
研究対象に基づく科学の分類を
心理学に当てはめようとすると、
心理学は自然科学でもあり精神科学でもあるのである。
研究対象の違いではなく、どのような目的で研究をするのかによって
科学を分類すると、また異なる分類が可能である。
自然科学が一般的な法則を見いだす
法則定立的*な研究であることを原理としているのに対して、
精神科学の場合は一度きりの特殊な現象を理解する
個性記述的*な研究であることが多い。
個性記述的*な研究であることが多い。
(*法則定立的・個性記述的…ドイツの哲学者ヴィンデルバンドの用語)
心理学の場合もこの2つの分類はそのまま該当し、
たとえば心理学者のオールポート (Allport, G.W.)は、
同じパーソナリティの研究であっても、
同じパーソナリティの研究であっても、
多くの人に共通した普遍的な法則を見いだそうとする法則定立的な研究もできれば、
その個人に特有な性格を研究しようとする
個性記述的な研究も可能であるとした。
参考文献
心理学検定 基本キーワード
著 一般社団法人日本心理学諸学会連合
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