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仮現運動






今回は心理学の中で学ぶ仮現運動について説明します。

おっと、その前に最初に仮現は、かげんと読みので注意!!

さて、本題に移っていきますが、仮現運動は私たち人間が普段、身近に体験している運動です。


みなさんは、漫画を読みますか?

(ちなみに僕は最近ではワンパンマンを読んでいます。)



バトル漫画だとよくあるのがめっちゃ速く動いて、敵をかく乱させる高速移動ってありますよね?



漫画『ワンパンマン』より引用


この刀を持っている黒髪の男に注目してください。


左右に移動しているように見えますよね?

しかし、実際はただ2人の同一人物がすこしモヤがかかった風に描かれているに過ぎません。

しかし、脳というものは賢いもので、平面で行われている世界(二次元)をフィクションとし


頭の中でストーリーを作っています。





このように、一瞬で現れたり、

消えたりした場合動いているように見える現象を仮現運動といいます。



二次元などの架空の世界や情報量が少ない状況や環境では私たちは頭の中でイメージをして整理しています。


ここからは専門的に説明します。







1、仮現運動とは



見かけの運動,キネマ性運動ともいう。


一定の位置にある刺激の対象物が,瞬間的に現れたり消えたりすることによって,

あたかも実際に運動していように見える現象



(ここでいう刺激とは、先ほどの画像に然り、私たちが反応するもの)

α (アルファ) β (ベータ)γ (ガンマ) などの種類がある。


第1の刺激の対象物を,瞬間的にある場所に提示したあと、

ある程度の時間間隔をおいて
第2の刺激の対象物を瞬間的にやや離れた場所に提示すると,


初めの場所から次の場所へと動きが感じられる。


これがβ(ベータ)運動で,
映画でみられる写真や絵の動きはこれと同種の現象である。



驚き盤(ストロボスコープ)*により


少しずつ異なった絵の系列を次々に提示した場合に観察される絵の動きもその一つ。



このためβ(ベータ)運動は驚き盤の錯覚
または驚盤運動とも呼ばれる




ストロボスコープで撮ったボール写真





α(アルファ)運動は、主線が同じ長さ持つ

外向図形と内向図形とを同一場所に交互に提示した場合に,その主線が伸び縮みして見える現象。



ミュラー=リヤーの図形
1889年 F.ミュラー=リヤーにより考案された。



γ(ガンマ)運動は,一つの刺激対象を短時間提示した場合に,

出現するときには膨張するように,
消失するときには収縮するように見える現象をいう。


この仮現運動は特にβ(ベータ運動)で触覚や聴覚でも生じる。


 (→運動知覚 )







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