
1、世界システム論とは
近代以降の世界の全体を単一の社会システム,
つまり資本主義体制としてとらえ,その生成・発展の歴史的過程を
徹底的に追究して明らかにすることによって,さまざまな政治経済的諸問題,
とりわけ国家間関係,経済的な支配・従属,世界秩序の構造と変動などを全体的に究明しようとする理論。
簡単にいえば、資本主義という観点から世界のシステムを理解しようとする理論。
アメリカの歴史社会学者 I.ウォーラステインによって創始された。
まず世界をアメリカおよび他の工業諸国、いわゆる先進国から成る「中心」と,
発展途上国から成る「周辺」に分けた上で、前者=中心によって後者=周辺が搾取され,
さらに両者によってその他の周辺が搾取されているとする。
富める国々は,周辺地域から稼ぎ出した余剰のうちわずかな部分しか周辺地域に配分しない。
他方,周辺に属する国々にも「周辺の中心」,すなわち世界経済システムの中心に位置する外国資本と
結びついた特権階級【根っからの金持ち】や*民族ブルジョアジーが存在する。
【*民族ブルジョアジー.....植民地支配国の資本に対して,
先祖からの生産活動により富を蓄積した資本家 (層) 】
このように世界を素描する世界システム論は,明らかにマルクス主義的な考え方をもとに考えだされている。
ここには,国家間に固有の競争や対立への言及はなく,
資本主義社会における階級闘争の分析が世界全体に拡大・適用されるのである。

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