スキップしてメイン コンテンツに移動

依存効果




↑マモン
ユダヤ教、キリスト教に伝えられる悪魔。
七つの大罪において強欲を司るといわれる。

【wikipediaより引用】


1、依存効果とは



デモンストレーション効果ともいう。


アメリカの経済学者J・K・ガルブレイスが

豊かな社会の経済的特質を説明する際に用いたことば。


従来、資本主義経済における生産過程は、

消費者の欲するものをつくるという点に*社会的意義があるものとされた。

【*社会的意義...社会が求める価値】


このプロセスが一貫していれば、消費者の欲求が生産に反映することになり、

消費者主権が成立する。








しかし、人間の欲望には、

他人はどうであれ自分はそれが欲しいという自立的、絶対的な欲望と、


それを所有していれば社会的に評価されるためにそれが欲しいという

相対的な欲望
とがある。




生産水準、したがって所得水準が上昇するにつれ、後者の欲望が大きくなり、かつ、


そうした価値観が一般的になるほど消費意欲は増大するであろう。





この過程は、所得水準が上昇しても消費性向がかならずしも低下しないことを説明する一方、

近代的な寡占企業の宣伝、広告、販売技術によって

助長されていることも明らかである。



すなわち、自立的に決定された欲望とは別に、それまで存在しなかった新しい欲望が、

主として生産者によって創出されることになる。







 かくて、社会が富裕になるにつれ、

欲望を満足させる過程が同時に欲望を創出していく度合いはしだいに大きくなる。

つまり、生産者が財貨の生産と同時に、宣伝・販売術によって新しい欲望を創出させ、


かつそれを善とする価値観をつくりだすという二つの機能をもつことになる。




このように欲望が生産に依存し、欲望を満足させる過程に依存することを、

ガルブレイスは依存効果とよんで、

消費者主権が失われていることを指摘した。


[一杉哲也]







『J・K・ガルブレイス著、鈴木哲太郎訳『ゆたかな社会』(2006・岩波現代文庫)』

コメント

このブログの人気の投稿

重いものと軽いものを地面に落としたら?

重いものと軽いものを地面に落としたら どっちが早く落ちるの? 結論からいうと、どちらも変わりません 。 (*しかし、空気がある世界では、より軽く、よりやわらかく、 表面積が大きいものが 遅く落下します。 紙切れがゆっくり落ちていくのがそれです。) 物理学の世界では、 物体を自然と落とすことを 自由落下 といいます。 では、なぜ重いものと軽いものが 同時に落ちるのか、思考実験といわれる 頭の中で実験をして確かめましょう。 空気抵抗が無いもの、つまり 真空中 と 仮定して話をすすめます。 【真空中…空気が全くない状態。】 1gのものと、1gのものを同時に落としたら、 同じ速度で落下することは納得できますよね。 では、1gのものと2gのものは? と考えてみましょう。 2gのものは1gのものを1+1=2個くっつけただけであり, それ以上のものではありません。 くっついたというだけのことで落下速度が速くなるのであれば、 分割すれば遅くなる ということが推論できますよね。 じゃぁドンドンと分割していくと、 そのうち落下しないで 空中に止まったままになるの? とまぁ、こんな感じの思考実験をすることで ある程度納得できるのではないかと思いますが、 いかがでしょうか? では、実際に理論的に説明していきます。 重い物に働く重力の方が軽い物に働く重力より大きい。 重力 (mg) =質量 (m) ×比例係数 (g) … ① これは良くご存じの様です。 比例定数は重力加速度=gと呼ばれ、 厳密には  g= 9.80665[m/s² ]  と定義されています。 同じ力を加えても 重い物の方 が 軽い物より 動かしにくい 。 加速度 ( a :   m /s 2 ) =加える力 ( F: N) /質量 ( m: kg)    … ②  ②…これを運動方程式という 【*物理学で力は記号でFを表す。単位はN。】 これも経験があるのではないでしょうか。 次のような経験を思い出しませんか。 ・同じ重さなら加える力が大きいほど良く加速する。 ・同じ力なら軽い物ほど良く加速する

儀礼的無関心

1,電車での出来事 電車のなかでは, ふつうであれば夫婦や親子など 親密な関係にある人間しか 入ることを許されない密接距離や、 友人同士で用いられる個体距離のなかに 見知らぬ他人が入りこんでくるということから、 別の規則が派生してくる。 私たちはたまたま電車で隣り合って座った人と 挨拶を交わたりしないし, ふつうは話しかけることもない。   私たちはあたかも 自分の 密接距離 や 個体距離 のなかに 人がいることに   気がつかないかのように、 それぞれ新聞や雑誌を読んだり、 ヘッドホンをつけ 音楽を聴いたり、携帯電話をチェックしたり、 ゲームをしたり,あるいは 目をつむって考えごとをしたりしている。 それはあたかも, 物理的に失われた距離を心理的距離によって 埋め合わせているかのようである。 アメリカの社会学者 E. ゴフマン( 1922 ~ 82 )は, 公共空間のなかで人びとが示す このような態度を儀礼的無関心と呼んだ。 2、具体的に儀礼的無関心とは どのような状態で 行われるのか? 「そこで行なわれることは, 相手をちらっと見ることは見るが, その時の表情は相手の存在を認識したことを 表わす程度にとどめるのが普通である。 そして、次の瞬間すぐに視線をそらし, 相手に対して特別の好奇心や 特別の意図がないことを示す。」 電車のなかで他の乗客にあからさまな 好奇心を向けることが 不適切とされるのはそのためである。 たとえば, 電車のなかで他の乗客をじろじろ眺めたり, 隣の人が読んでいる本を のぞきこんだりすることは不適切と感じられる。 例外は子どもである。 子どもは他の乗客を指差して 「あのおじさん変なマスクをしてる」 と言っても大目にみられるし, 逆に子どもに対してはじっと見つめることも, 話しかけることも

地中海式農業

1,地中海式農業 地中海性気候 、すなわち冬季は温暖・湿潤、 夏季は高温・乾燥の気候地域にみられる農業様式。 商品作物としての耐乾性樹木作物と自給作物としての 小麦栽培 に、 ヒツジ、ヤギの飼養を取り入れた 有畜農業 である。 とくに耐乾性作物であるオリーブ、イチジク、ブドウ、柑橘 類、 コルクガシなどの栽培は有名で、なかでもオリーブは標式的な樹木といわれている。 伝統的な 地中海式農業 は、 小麦 ・ オリーブ ・ ブドウ の三大作物の栽培とヒツジの移牧を特徴とする。 しかし、 灌漑 農業 の普及や農業改善事業の進展などで、 オレンジ、レモン、野菜・花卉 類などのより商品性の高い作物の栽培が 盛んになる一方、 移牧 は衰退しつつある。 地中海式農業が典型的に発達する地中海沿岸地方では、 山地斜面まで石材などを利用した 階段状耕地 が造成され、 独特な景観をなしている(イタリアのアマルフィやチンクエ・テッレなど)。 イタリア半島 南部やイベリア半島では大土地所有制度が残存し、 多くの零細農からなる農村では、 伝統的な農法による生産性の低い農業が営まれている。 地中海式農業地域としては、 このほか近代的な灌漑施設を整えたアメリカのカリフォルニア地方をはじめ、 チリ中部、アフリカ南西部、オーストラリア南部などがある。 [新井鎮久・井村博宣] リンク リンク