まるまる一時間ノートを取っていなかった。
この一時間、 僕にとって黒板の文字、
数式はただの文字でしかなく、
まぁ、いいか。物理の授業は教科書通りに進んでいるから、
次の時間は何だっけなぁ...現代文か。
いや、 自分の鞄にまさぐるという言い方は問題があるかもなぁ。
...何か感じる。何か見られている感覚。
勘違いか…いや、 違う。よく分からないけど、
じわじわ悪寒が走って来た。
僕は、 ふだん連んでいる男友達の方を見た。
しかし、あいつらは月曜の1 限ということもあってか、
持参した枕を机を置いて寝ている。バカだな、 あいつら。
まだだ。まだ感じる。
前には、 僕を見ているものはいない。
しかし、 みんな談笑しているか、寝ているかどちらかだ。
まただ。 僕は右隣に恨まれているのか?
おそるおそる僕は右隣を見た。
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