「期限は1週間と記載されていたから、時間に余裕がなかったの。
そのせいもあってか隣のあなたが一番手っ取り早かったの。」
「やり方自体は間違ってはいないが、言い方に問題があるぞ。」
「あら、そうだったかしら?」
「まぁそれはいい」
「あと羽塚くんもいい年頃だから、 性欲をムンムンたぎらせる気持ちは分かるけど、
もし私に襲いかかろうとしてきたら殺すわよ。」
「いつ僕がお前に性欲をたぎらせた!?」
「だってあなた昨日の授業中、ずっと私のこと見てたでしょ。」
「あれは....事情があったんだ。」

「事情って何よ。女の子をずっといやらしく見る事情なんて、
発情期の雄サルが雌猿に交尾を求めるくらいだわ。」
「その話はもういい。今はそんなことより大事なことがある。」
「あらそう、残念。羽塚くんの照れた顔可愛いかったのに。」
「平木はそうやって男をたぶらかすのが好きなのか?」
「いえ、ウブな男が照れる顔が好きなの。」
完全にもてあそばれている。
腹がたつ。
これが人に頭を下げた人に対する言動なのか。
腹がたつ。
「そんなことやってると、みんなから疎まれるぞ。」
「あら失敬ね。こう見えても私ってモテるのよ。」
まあ見た目だけならモテそうだけど、
性格とかその他内面全てを含むなら、 彼女がモテる理由がわからない。
「思うだけどさ、 君ってもう少し謙虚になった方がいいんじゃないか?」
「どうして?」
「どうして?って。日本じゃ出る杭は打たれるって風習があるし、
そういう風に上から目線で接してると、 人間関係が上手く成り立たないと思うよ。」
「なら、もう打たれないほど飛び出せばいい。
それに、事実は事実。誇張も矮小する必要もないわ。
でなければ、 歴史は正しく伝わらないもの。」
それに、事実は事実。誇張も矮小する必要もないわ。
でなければ、
「えぇ。そういうものなのかなぁ。」
「例えば織田信長が桶狭間の戦いで
彼の奇襲作戦により今川の軍を討ったことは知ってるわよね?
でももし信長が大名ではなく、軍の一兵にすぎなかったら?
その手柄は部下の信長には与えられず、 大名のものになっていたかもしれない。
だとすると、 歴史に彼の名前が残る確率なんてほぼ皆無だわ。」


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だとすると、

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