1,モロッコとは

◎面積−45万8730km2(西サハラを除く,以下同)。
◎人口−約3200万人。
◎首都−ラバト。
◎住民−アラブ系,ベルベル。
◎宗教−イスラム(スンナ派,国教)。
アフリカ北西端の王国。国土の中央を北東から南西にアトラス山脈が走り,最高点はトゥブカル山(4165m)。
アトラス山脈の南東側はサハラ砂漠,北西側は豊かな農業地帯となり,地中海岸にはリーフ山地がある。
北西部は地中海式気候,南東部は乾燥気候。
農業,鉱業が主で,主要農産物は小麦,大麦,トウモロコシ,柑橘類。
鉱業ではリンの産が最も多く,他に鉄,石炭,マンガン,コバルト,鉛,亜鉛,銀,石油などがある。
牛,羊,ヤギの牧畜も重要で,漁業も盛ん。
1960年以来五ヵ年計画によって工業の発展が図られている。
地中海に面する軍事上の要地で,古代フェニキア,ローマの支配下にあった。
7世紀にアラブ人が進出,のちイスラム諸王朝が繁栄した。
19世紀半ばからフランス,スペインなどの侵略が始まり,20世紀初頭にはヨーロッパ列強の激しい争いの場となった。
ファショダ事件,英仏協商,モロッコ事件等を経てフランスの優位が確定,
1906年アルヘシラス会議によりタンジールが国際管理地区となり,
1912年北部地中海岸はスペイン領,他はフランス領となった。
1956年この3地区を併合して独立した。
地中海岸のセウタ,メリリャなど領域内になお残るスペイン植民地の返還を求める声が強い。
1976年念願の旧スペイン領サハラ(西サハラ)をモーリタニアとともに分割・併合した。
1979年モーリタニアがサハラ領有を放棄したためモロッコは全域占領へ踏み切ったものの,
ゲリラの抵抗と国際的非難を招いて孤立を深めている。
1961年以来国王の地位にあったハッサンが1999年死去,皇太子がモハメド6世として新国王に即位した。
2011年2月,チュニジア,エジプトでの民主化運動の影響で,
主要都市で〈政治改革〉を求める数千人規模のデモが起こり,
カサブランカでは治安部隊との衝突で負傷者が出た。
デモは憲法改正や司法の独立など国王権限の制限を求める〈変革〉を要求,
3月,モロッコ国王は,憲法の一部改正を発表するとともに,
〈国王は首相を任命せず,首相は,新たな憲法に基づいて,
国会で最大議席を獲得した政党から選ばれる〉と表明,譲歩を示した。
同年7月憲法改正によって国王の権限が縮小され,首相の権限が強化された。
2011年11月の下院選挙で王党派で穏健イスラム政党である公正発展党が第一党となり
同党党首のベンキランが連立政権の首相に任命された。
2013年7月,イスティクラル党が政権から離脱。
モハメッド6世国王は,ベンキラン首相に新たな政府与党を構成すべく協議を始めるよう指示。
ベンキラン首相は,独立国民連合(RNI)を連立与党に加え,10月,第二次ベンキラン内閣が発足した。
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