
1.静電気とは
電荷の分布が時間的に変化しないときの電気現象。
(電子は移動しやすいので、電荷の分布は変化する)
摩擦による帯電現象、直流電圧のかかった導体より生ずる電界、
静止する電荷から生ずる電場などは、すべて静電気の問題である。
たとえば、乾燥した冬の日にドアのノブなどの金属に触ると、
金属に帯電していた静電気が指先に放電されてピリリと感じる。
また、合成繊維は吸湿性が少ないので摩擦で発生した静電気が帯電しやすい。
合成繊維の肌着が絡みつくのはそのためである。
これらの静電気のもたらす害を防ぐため、帯電防止剤が開発されている。
炭鉱ガス爆発のように、滞留している可燃物や爆発性ガスに静電気が放電されて大災害を起こすこともある。
静電気は、定義のように、時間的に変化のないときの電気現象であるが、
導体の静電誘導はおおよそ100万分の1秒程度の時間でおこるので、
これよりもゆっくりした時間変化のある場合についても静電気の理論はそのまま成立する。
静電気の基本法則は、電荷と電荷との間に働く電気力についてのクーロンの法則である。
[山口重雄]
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