1,牛乳とは

牛の乳腺から分泌される白色不透明の液体で,特有の香気と甘味を有する。
幼牛の利用しうる唯一の食物で,これだけで生命を維持し,
正常な成長をすることができるもので,人間にとっても鶏卵とともに
栄養的にほぼ完全に近い食品ということができる。
固形分約 11.5%,タンパク質 3.0%,脂質 3.5%,乳糖 4.5%,無機質 0.7%前後,
その他各種の微量成分を含む。
その性状としては乳糖および無機質の水溶液に,脂質が乳濁質,
タンパク質が懸濁質として分散しているコロイド溶液である。
直接飲用に供する目的で加工処理されたものを一般に市乳と呼んでいる。
栄養価値がきわめて高く,細菌の繁殖にも好適な培地であるため腐敗しやすく,
また,病原菌などが存在することもあるので衛生上安全なものとするため,
市乳には保持殺菌,あるいは高温短時間殺菌,超高温加熱殺菌のいずれかの方法がとられる。
また,日本の加工乳の多くは殺菌前に均質化を行なって脂肪球を細分化してあり,
静置してもクリームが分離しないようにしてある。
牛乳は飲用に供されるばかりでなく,粉乳,練乳,バター,チーズ,
クリーム,発酵乳,乳酒,その他各種の乳製品に加工利用されている。
市販されている牛乳は,法律的には牛乳と加工牛乳とに区別されている。
牛乳とは乳牛からとったままを食品衛生法の定めに従って処理したもので,
成分は無脂乳固形分 8.0%以上,乳脂肪分 3.0%以上,細菌数 1ml中5万以下,
大腸菌群陰性,比重 1.028~1.034 (15℃) のものとされている。
濃縮したり,ビタミン添加したものは加工乳である。

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