1.炭素とは
元素記号C,原子番号6,原子量12.0107。
周期表14族,炭素族元素に属する。
天然には単体としてダイヤモンド,黒鉛 (→石墨 ) ,無定形炭素 (→スズ )
などの3種の同素体が存在するが,化合物としては岩石圏,水圏,大気圏,生物圏などに非常に豊富に存在する。
地殻中の存在量 200ppm,海水中の存在量 28 μg/ℓ。
比重はダイヤモンド 3.51,黒鉛 2.26,無定形炭素 1.8~2.1。
無定形炭素,黒鉛は高温では昇華する。
ダイヤモンドは,空気を遮断して2000℃に熱すると黒鉛に変わり,
空気中では 710~900℃で燃焼して二酸化炭素となる。
C60 あるいは C70 のように炭素だけから成る新たな系列の物質
(フラーレンまたはバックミンスターフラーレン) が合成されている。
高温では炭素は鉄,アルミニウム,カルシウム,水素,硫黄,
ケイ素などと反応して炭化物となる。
また水素,酸素,窒素などと共有結合により有機化合物をつくり,
天然物質あるいは合成物質としてほとんど無数に得られている。
同位体の炭素 12は,1961年国際純正・応用化学連合により原子量の基準に選ばれ,
炭素 12の原子量は整数 12と定められた。
放射性同位体の炭素 14は半減期 5730年,大気上層部で生成,
生体中に広く分布する。
生体の死滅により減衰するので,木片,泥炭,骨,貝殻などの
年代測定 (約4万年前までの年代のもの) に利用される。
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