1,塩素とは
天然に存在する安定同位体には塩素 35 (存在比 75.4%) ,37 (24.6%) の2種が存在する。
1774年 K.シェーレにより発見,1810年 H.デービーにより元素と認められた。
周期表17族に属するハロゲンの1つ。電子親和力が大きく,1価の陰イオンになりやすい。
海水1ℓ中には約19gの塩化物イオン (食塩として約30g) が含まれている。
工業的にはアルカリ金属塩化物の水溶液あるいは溶融塩電解によって多量に生産される。
実験室的には,二酸化マンガンに濃塩酸をそそいで簡単に得られる。
単体は二原子分子 Cl2 で常温では黄緑色,刺激臭のある気体。
有毒。空気中に 4ppm含まれると臭気を感じ,30ppmで激しく咳込む。
34.05℃または 5.7気圧,20℃で液化し,黄緑の液体となる。
化学的には非常に活発で,希ガス,炭素以外の全元素と反応する。
水素や金属粉末は塩素中で激しく燃焼し,
特に水素との混合物に点火すると爆発するので,塩素爆鳴気といわれる。
合成ゴム,プラスチック,殺虫剤,炭化水素の塩素化合物のほか
非常に多数の化学薬品類の製造に使われる。
また,酸化剤,漂白剤,飲料水の殺菌剤としても広く利用される。
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