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エンゲルの法則





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1,エンゲルの法則とは


ドイツの統計学者エンゲルが、

19世紀中ごろのベルギーの労働者の家計調査に基づいて明らかにした経験法則をいう。

一般に、人々の欲望はすべてが同じ順位にあるのではなく、

飲食物に対する欲望が第1位にあり、被服の欲望がそれに続き、

さらに住居や光熱への欲望が続くという傾向がある。

したがって、貧しい家計ほど総支出のなかでより大きな割合が飲食費に費やされ、

所得の高い家計ほど飲食費の割合は小さくなるという

規則性(エンゲルはそれを自然法則とよんだ)がある。

後年そのような規則性を、発見者の名にちなんでエンゲルの法則とよぶようになった。

その後エンゲルの研究の後を追っていくつかの調査が行われ、

たとえばドイツの統計学者シュワーベは、ベルリンの家計調査に基づいて、

支出総額のなかに占める住居費の割合が、

所得の高いものほど小さくなる傾向があることを明らかにしている

シュワーベの法則という)。







 所得水準が違うと消費構造(消費品目の構成比)が異なってくるのは、

所得の変化に伴う消費の変化が、

品目ごとにかならずしも一様ではないことに起因する。

現代の経済学における家計の消費分析では、

エンゲルの法則はより一般化され、

所得とある商品の消費量との間の関係を示すエンゲル関数としてとらえられる。

その関数をグラフに描いたものがエンゲル曲線である。

ただし通常のエンゲル曲線は、

所得とある商品の消費量との間の関係を図示するものであるから、

食料品などのように複数の種類の商品をひとまとめにして表す

品目については、消費量を集計できず、エンゲル曲線は描けない。

それにかわるものが、ある費目の消費支出額と総支出額との

間の関係を図示するエンゲル支出曲線である。

 エンゲルは、同じ時期の異なった所得階層間の所得と

食料費支出を関連づける資料

(そのような資料をクロス・セクション資料という)から規則性を導き出したが、

同様の関係は、異なった年度における所得の変化と食料費支出の変化を

関連づける資料(時系列資料という)から導き出すこともできるであろう。

しかし時系列資料の場合には、所得の変化に伴う消費構造の変化が、

クロス・セクション資料の場合とはかならずしも同じ動向を示さないこともある。

時系列資料では、異なった年度の物価体系や生活習慣が変わってくるからである。





[志田 明]

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