1,半減期とは
放射性物質が放出する放射線の強さが、半分に減少するのに要する時間。
放射性物質の放射線の強さは時間とともにしだいに減少していく。
これは、放射線を出す原子核の数が時間とともに減少し、
また放射線の強さが単位時間当りの崩壊原子核数に比例するためである。
放射性物質の原子核の崩壊は、
個々の原子核については偶然に支配される確率現象である。
しかし非常に多数の崩壊しうる原子核の集まりについては、
単位時間に崩壊する割合λ(ラムダ)は一定の値となる。
崩壊しうる原子核の数をNとし、そのうち単位時間内に崩壊する
原子核の数をnとすると、λ=n/Nで与えられる(λを崩壊定数という)。
この値は、1個の崩壊可能な原子核が単位時間に崩壊をおこす
確率と考えてよく、その逆数は崩壊の平均寿命τ(タウ)=1/λを与える。
通常、崩壊の寿命は平均寿命に比例した半減期T1/2=(ln2)×τで表される(lnは自然対数)。
T1/2は放射性元素の量が初めの量の半分になる時間として定義される。
すなわち、ある時刻にN0であった崩壊可能な原子核の量が、
T1/2時間たつとN0/2となる。
半減期は崩壊する原子核の種類で異なり、
長いものから短いものまでさまざまである。
[池田清美]
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