1,エネルギー準位とは
微視的(ミクロ)な粒子や粒子系がもつことのできるエネルギーの値。
その系に固有なとびとびの値(エネルギー固有値という)をとることが多く、
その値に比例する高さの横線で図示するためにこの名がある。
許される値がとびとびになるのは、ミクロ粒子のもつ波動性による。
原子に束縛された電子の波などは一種の定常波をつくるが、
弦の振動の例でもわかるように、定常波の種類は番号づけができるので、
定常波で表される粒子の運動状態(古典力学の軌道に対応する)も
番号づけの可能なとびとびのものに限定される。
粒子の運動エネルギーは波長の逆数の2乗に比例するので、
いちばんエネルギーが低いのは節のない長波長の定常波で表される運動である。
節面の数とともにエネルギーも増す。
j 番目の定常波で表される状態のエネルギーをEj のように記す。
異なる運動状態でエネルギー固有値の等しいものが

そのエネルギー準位は

粒子が1個なら波は普通の三次元空間の波であるが、
n 個の粒子からできている系では、x 1、y 1、z 1、x 2……y n、z nを座標軸とする
抽象的な3n次元空間の定常波を考えなければならない。
しかし、事情はまったく同じである。
[小出昭一郎]
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