1,機能主義とは

建築設計に当たって機能性を最優先させる立場の総称。
その視野は建造物の構造ばかりでなくデザインにも及ぶ。
19世紀末、最初期の摩天楼の設計者として知られる
アメリカの建築家ルイス・サリバンがアール・ヌーボーの
装飾的な様式から脱したシンプルで無機質な建築を目指して
「形態は機能に従う」と述べたのが起源とされるが、
均質なユニバーサル・スペースを説いたミース・ファン・デル・ローエ、
住宅を「住むための機械」と位置づけ、「近代建築の五原則」や
「ドミノ・システム」を提唱したル・コルビュジエ、
無装飾主義を標榜したアドルフ・ロースなど、
主義主張を同じくする立場は同時代のヨーロッパの建築家のなかにも広く認められ、
この考え方がモダニズム建築の核をなしていたことが分かる。
1930年代初頭、「ボリューム」「規則性」「装飾忌避の原則」の
3本の柱に定式化され、長らくモダニズム建築の規範として君臨した
インターナショナル・スタイルは機能主義の1つの極点を示している。
日本では、「社会を形成する建築は美しいことによってのみ流布し、機能として根付く」とする
丹下健三の主張が大きな影響力を持っていた。
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