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1,脊椎動物とは
動物分類上、一門を構成する動物群。
脊椎動物とは背骨をもつ動物群で、
背骨をもたない無脊椎動物に対する語であるが、分類階級は等しくなく、前者が下位である。
脊椎動物に共通する形態上の四大特徴は、
(1)脊索が終生または一時的に存在すること、
(2)椎骨が発達すること、(3)咽頭(いんとう)があること、
(4)管状の神経管が背側にあること、である。
脊索は背側にある棒状構造で、ほとんどの脊椎動物で脊索は
脊椎にとってかわられ、成体では退化している。
しかし無顎類のヤツメウナギやヌタウナギでは脊椎の発達が悪く、脊索が生涯を通じて存在する。
咽頭は口腔と食道の間の膨大部で、
終生えら呼吸をする魚類では左右の側壁に切れ目(鰓裂(さいれつ))が入り、えらを生じる。
脊椎動物の際だった特徴は神経系の発達にある。
脳は神経管前端部から生じる。管腔に沿った部分は脳幹となる。
脳幹から背側に生じる灰白質は、感覚器官からの投射を受け、
おもな三つの感覚である視覚、嗅覚(きゅうかく)、平衡感覚と聴覚に関連している。
外界情報の受容器である感覚器官と情報分析器である脳の発達によって、
環境によりよく適応できるようになり、
脊椎動物は現在のように繁栄したと考えられる。
原始的脊椎動物は備えておらず、高等になるにしたがって
獲得した形態学的変化のうち特筆すべきものは、
(1)あごの発達、(2)対鰭(ついき)または四肢の発達、
(3)肺の発達、(4)羊膜と胎盤の発達、である。
脊椎動物が水から離れて陸上にまで生活圏を拡大したのは、
これらの発達に負うところが大きい。
循環系は閉鎖血管系とリンパ管系からなる。
心臓は、魚類が一心房一心室、両生類は二心房一心室、
爬虫類は二心房一心室または二心室、
鳥類と哺乳類は二心房二心室である。
成体の排出系は、両生類までが中腎、爬虫類以上のものは後腎が機能的となる。
現生の脊椎動物は無顎類(円口類)、軟骨魚類、硬骨魚類、両生類、
爬虫類、鳥類、哺乳類の七綱で構成され、
あごの発達する軟骨魚類以上を顎口類という。
また、両生類以下を無羊膜類といい、爬虫類、鳥類、哺乳類を羊膜類とよんでいる。
なお、分類上、脊椎動物を一門ではなく一亜門とし、尾索動物、
頭索動物の両亜門とともに脊索動物門に含める説もある。
[川島誠一郎]
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