1,安定陸塊とは
先カンブリア時代など古い地質時代にすでに固化し、
それ以降、褶曲帯をつくるような造山運動を受けなかった地域をいう。
造山帯に対する語で、安定大陸、クラトン、剛塊などともいう。
このうち、新しい地質時代の被覆層をほとんど欠き、
基盤岩類が直接地表に露出しているものを楯状地といい、
より若い堆積物がほぼ水平にのったものを卓状地という。
世界の大陸の約3分の2の面積を占めており、
各大陸は1ないし3の陸塊を含んでいる。
ロシア、シベリア、シニア、ローレンシア、アフリカ、インド、
オーストラリア、南極などがそれである。
先カンブリア時代の早期(始生代)には大陸地域全体が
変動状態にあったが、原生代になると安定化して安定陸塊が誕生したという。
始生代の陸塊にはグリーンストーン・花崗岩地域と高変成度地域とがある。
前者は変成した塩基性火山岩とそれを貫く花崗岩で特徴づけられ、
後者は主として石英長石質の片麻岩やミグマタイトからなる。
原生代に入ると、始生代の陸塊を取り巻くように同心円状に
新しい造山帯が次々に形成され、大陸の成長がみられた。
[岩松 暉]
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