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1,国際法とは
国際社会の諸関係を規律する法。
国際私法に対するものとして国際公法ともいわれるが,
現在は国際法の呼称が適切とされる。
歴史的には近代ヨーロッパの主権国家の諸関係を規律する法(ヨーロッパ公法)として発達し,
19―20世紀に至って世界的なものとなった。
国際法の主体は原則として国家であるが,国際社会の組織化に伴い,
特に第1次大戦後は種々の国際組織・団体も主体としての地位が認められ,
さらに今日では特定の場合には個人が主体となることも認められている。
国際法は国家間の文書による合意の明示としての条約と,
国際社会の慣行を基礎として暗黙の強制力をもつ国際慣習法とからなる。
国内法と異なり,国際法はその制定・執行や違反行為に対する
制裁などに当たる統一的権力や機関がなく,もっぱら当事国の手によって運用される。
このため国際法は法にあらずという学説もあるが,
19世紀以降制定法としての多国間条約がふえ,
また第1次・第2次大戦を経て戦争を違法とする考え方が一般化したこと,
さらに国際裁判の発達などから,
現在では普遍的な法としての地位が確立しているといえる。
近年の国際関係の急速な進展や地球規模での
諸問題(環境,食糧など)の表面化に対応するためにも
国際法の重要性はますます増大してきている。
国際法体系化の先駆者はグロティウスとされている。
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