「えっ、何で?」
気になったのでついその訳を聞いてみた。
気になったのでついその訳を聞いてみた。
西山は耳に付けているピアスに触りながら
「ん~、秘密」
と以前のような笑顔で僕の質問をはぐらかした。
「あとこれは誰にもいってないから、秘密ね」
ああ、新田が嫌いなことか。
まあそれが本当かどうか疑わしいが。
ああ、新田が嫌いなことか。
まあそれが本当かどうか疑わしいが。
「あ、うん」
これは僕に好意があるからじゃない。
仮に僕がこのことをクラスメイトに言いふらしても、
彼女の評判が落ちることもない。
フリーザがナメック星で悟飯たちのもとへ向かうデンデに
「塵一粒くらいは放っておきましょう」と言ったのと同じだ。
愚痴の本音を言うのならば、
僕のようなクラスで何の影響力もないやつの方が都合がいい。
だって言いふらす相手もいないのだから。
「じゃあ詳しい日時とか場所はまだ決めてないから後で伝えるね。
あっ、羽塚くんの連絡先教えてもらってもいいかな?」
西山はおもむろにおしゃれなカバーを付けた携帯を取り出した。
ここまでくると、僕に気があるのでは?と一瞬思ったが、
こんなセリフ誰にも言えることを思い出して考えを改めた。
「ああ、いいけど」
僕はしまっている携帯をとりだし、一年ぶりくらいに連絡先を交換しようとした。
しかしそのせいかやり方がわからずに西山はあわてる僕を
クスクスと笑いながら僕の携帯をとりあげた。
他人に自分の携帯を触られるのは抵抗があったが、
特に見られて困るものをないのでよしとした。
「はい、終わったよ」
僕はしまっている携帯をとりだし、一年ぶりくらいに連絡先を交換しようとした。
しかしそのせいかやり方がわからずに西山はあわてる僕を
クスクスと笑いながら僕の携帯をとりあげた。
他人に自分の携帯を触られるのは抵抗があったが、
特に見られて困るものをないのでよしとした。
「はい、終わったよ」
「ああ、ありがとう」
なぜか僕の方がお礼を言ってしまった。
携帯をみると、彼女のLineのアイコンが表示されていた。
それは西山とその友だちと思われる女の子の写真だった。
これは自分が可愛いと思っていないとできない行為だ。
西山はポケットに携帯を直したあと、教室の時計を見た。
「あ~もうこんな時間、そろそろ私は帰るね」
さよならを言う暇もなく、颯爽と教室を去っていった。
さっきまで西日に照らされた教室がすっかり暗くなっている。
そういえば西山がこんな放課後になぜ教室に戻ってきたのか
今さらながら不思議で仕方がなかった。
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