過去の記事を検索

TRANSLATE

『落ち込み少女』第6章その4






その3←ここをクリック



別に言い訳ってわけじゃない。


これは民意なのだ。

僕を含め帰宅部の奴は候補にすら挙がらない。

体育祭はみんなで楽しむものではないんだ。

クラスでも成績上位で見た目が派手で運動が得意な

いわゆる一軍と呼ばれる奴らが主催のイベントなんだ。

その証拠に今決まっている男女三名は運動部所属で

授業中に関係のない話をしても誰かが反応してくれるようなまごうことなき一軍だった。

仮に僕が授業中に全く関係のない話をしようものなら、

おそらく「何言ってんだこいつ」の視線を向けられた挙句

先生に怒られるという地獄以外のなにでもない状況になる。

ともかく僕らは一軍の活躍を蚊帳のさらに外で眺めるのがちょうどいいはずなんだ。

別に不満があるわけじゃない。

僕ら帰宅部は無出場かせいぜい玉入れ出場くらいが妥当なのだ。

誰が言ったわけでもない、しかしみんなわかっている。

人間にはランクがあり、先生に教わらずともこいつなら許されることも

あいつなら許されないってことがこの世には腐るほどある。

何者になれない人にとって学校はひどく窮屈であり、恐ろしいものだ。

だって僕らは学校という狭い世界がすべてであり、

ここで大きく挫折して自殺してしまう人だっているのだから

物思いにふけりながら教室を見渡すと

多くの生徒が教壇の方を見ていないことに気づいた。

僕の前の座席の奴なんかは携帯をいじっている。

そろそろ秋山先生が動き出すんじゃないかと不安になったが

それは杞憂だった。

「はい、みんな。

暑いのはわかるけどこれは大事なことだからちゃんと参加しよう」



続き←ここをクリック





0 件のコメント:

コメントを投稿