その14←ここをクリック
僕は西山の手からその鍵をもらった。
ゲームに出てくるような西洋風の形をしている。
「これは何の鍵だろう?」
「さぁ、わからない」
違和感を覚えた。
この鍵をどこかで見たような記憶があるような気がした。
どこだろう?いつだったかな?
ダメだ、思い出せない。
とりあえずそのままポケットにしまうことにした。
「でも、悩みを解決するって不思議だね」
西山は顎に手をあてて、怪訝そうにしている。
「どういうこと?」
「実は私の悩みは解決したわけじゃないの」
「えっ」
そりゃ、僕の言葉だけで解決したとは思えないけど、ちょっと傷ついた。
「ごめんっ、別に羽塚くんの力不足ってわけじゃないよ。
実際、羽塚くんのおかげで何かが変わったのか確かなの」
さすが西山は僕のフォローを忘れない。
「ただ悩み部屋に出る条件が、
悩みを解決することっていうのはちょっと不思議に感じちゃうなぁ」
確かに西山の言うとおりだ。
僕は摩訶不思議な現象が起きたことに頭で理解するのに精一杯で、
悩み部屋のルールなんて気にも留めていなかった。
でも、それはとても危険なことで、この先も順調よく悩み部屋から出られるとは限らない。
今回の鍵だってそうだ。
平木の時は僕ら以外の第三者はいなかったし、何かをもらうという行為もない。
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