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「じゃあ、ここで」
いつもの十字路で平木は別れることを告げた。
「ああ、うん」
「今日は楽しかった、ありがとう」
軽く手を振って、平木は街灯の点いた夜道に消えていった。
結局、僕は彼女が言った「世界の秘密」とやらを知れずに、
家に帰り、自分のベッドでスヤスヤと眠ることができた。
目が覚めて枕を見ると、髪の毛がついていた。
不条理だなと、ふと思った。
フィクションの世界なら、 髪の毛なんて落ちることは滅多にないし、
仮にあったとしてもそんな場面はカットされている。
その人物にとって面倒な場面は飛ばすことができるのが、
フィクショ ンの素晴らしいところだ。
しかし現実は違う、そんなスキップは絶対にできない。
歯は絶対に一日一回は磨いておかないと、口の中は気持ち悪いし、
僕はこの後、部屋に掃除機をかけなくてはいけない。
そういえば、掃除機の音を騒音という人間はあまりいないよな。
あれだけうるさい音なのに、ストレスを感じたということを聞いたことが無い。
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そういえば、掃除機の音を騒音という人間はあまりいないよな。
あれだけうるさい音なのに、ストレスを感じたということを聞いたことが無い。
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