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『落ち込み少女』第13章その10

 

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「うちの学校の文化祭は各クラス出し物を決めなきゃいけないの」


「知っての通り、文化祭まで残り一ヶ月足らず、

出し物を決めるまでの時間が長いクラスほど、後々しんどいことになる」


「屋台とか、お化け屋敷とか、ある程度は自由だから来週までに案を考えてきてほしいの」


そんなこと、今決めたらいいものを先延ばししたところで、大して良い案なんて出ないに決まってる。


ホームルームが終わって、みんな自分の席から離れていったが、僕は違った。


ノートを開いて、英語の宿題の丸付けをしている。


というのも、これは夏休みに課された宿題で問題の丸付けをしていなかったのだ。


矢崎先生はそんな間抜けなミスを見逃してはくれなかった。


三十にもなって独身の女教師というのは、どうも神経質な気がする。  


こうして数十ページにわたり丸付けをしていると教師の苦労が雀の涙ほどではあるが理解できる。


もう九月か....。


高校に入学してもう半年近く、背丈は中学よりも伸びなくなり、友だちと呼べる同級生もあまり作れなかった。


本気でバカをやったり、何かに打ち込むことも少なくなった。


その分、誰かに怒ることもイライラすることも減って、僕も大人に近づいたのかな?


でも、諦めることと妥協することの違いがよくわからない。


赤ペンで付けた丸印、僕の人生もちゃんと丸を付けられるだろうか?


「あれ、羽塚くん?」


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