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地方交付税


全国的に一定の行政水準を確保するために、国が行う地方財政調整制度。

地方税収入の不均衡による地方公共団体間の財政力格差を調整するもので、自治体独自の判断で使える一般財源として交付され、地方収入の約18%を占める。

財源には、所得税及び酒税収入のそれぞれ32%、法人税収入の35.8%、消費税収入の29.5%とたばこ税の25%の合算額があてられる。


交付税には普通交付税(総額の94%)と特別交付税(総額の6%)の2種類がある。

普通交付税は、自治体が合理的かつ妥当な行政を行うために必要な経費(基準財政需要額)と、

税収見込み額から自治体独自の施策のための留保分(25%)を除く一定額(基準財政収入額)を算定し、

需要額が収入額を超過した場合、その差額に応じて交付される。


不交付団体は東京都、愛知県と169市町村のみだが、前年よりは少し増加した。

特別交付税は災害や予測できない事件など特別の行政需要に応じて交付されるが、総務省の裁量も大きい。

地方分権一括法によって、地方自治体は総務大臣に対して、算定方法について意見を申し出ることができるようになった。


近年、地方交付税を確保するため、国の資金運用部から、交付税特別会計において借り入れが行われた結果、借入金は32兆円を超えている。

また、交付税が地方の国に対する依存心を助長しているという批判も多く聞かれるようになり、三位一体改革に至っている。

 (北山俊哉 関西学院大学教授 / 笠京子 明治大学大学院教授 / 2007年)


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