1、ヘリウムの特徴
18 族元素(希ガス)の1つ。元素記号 He 原子番号2。原子量およそ4.003。
希ガスは最外殻電子がもう入りきらない状態なので他の元素と結合しない。
色がなければ、匂いもない気体。
つまり、無職・無収。無色・無臭である。
水素(H₂)に次いで軽い。めっちゃくちゃ軽くて空気よりも軽い。
どれくらい軽いかというと、d(密度)=0.1785g/1ℓ
つまり、1ℓの中におよそ0.2gしか存在しない。
また、沸点はマイナス268.9℃であらゆる物質の中で最低。
地球上にはわずかしか存在しないが、全宇宙での存在量は水素に次いで第2位。
沸点がめちゃくちゃ低いので、超低温用の冷媒・気球用ガスなどに用いる。
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気球のこの球の中には、ヘリウムが入っている |
2、ヘリウムの生い立ち
1868年8月18日にインド、マレー半島地域で観測された
皆既日食において太陽紅炎の分光観測が初めて行われ、
そのスペクトルに、当時の地上で知られていた元素には
帰属できない線がフランスのジャンサンPierre Jules Csar Janssen
それが太陽に存在する元素ヘリウムによるとの推定が
広く学界で支持されるようになった。
広く学界で支持されるようになった。
(heliumはギリシア語の太陽heliosから命名された。)
1894年イギリスのラムゼーは、閃ウラン鉱の一種クレーベ石から得た
気体の詳細な分光分析をイギリスのクルックスに依頼し、
クルックスはそれがヘリウムと同一スペクトル*線を与えることを確認した。
【スペクトル*...光を、プリズムなど分光器を通した時
光の成分の波長によって屈折率が違うためにできる、虹のような色の帯。
波長の順に並ぶ。波長の長い順でいうと、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫。
広く一般にある組成のものを分解した成分を、一定量の大小によって並べたもの。】
3、さらに詳しく
ヘリウムは地球大気中におよそ5.2ppm*含まれ、放射性核種のα崩壊によって生成するため、
【ppm*...parts per thousandの略。
百万分率を百万分率を意味する割合の単位。主に微量物質の濃度を表すのに用いられる。
1ppm=10⁻⁶ =0.000001=0.0001%
5.2ppm=0.00052%
つまり、全体を10⁵=100,000円とすると、ヘリウムは地球上に
52円しかないということ。】
ウラン、トリウムの鉱物にも含まれている。
天然ガス中に1%前後含まれることもあり、アメリカでは天然ガスから
工業的にヘリウムを得ている。
もっとも液化・固化しにくい物質であり、化学的にきわめて安定である。
気体は理想気体*に近い挙動を示す。
【理想気体*...質量を持たない気体。】
血液に溶けにくいので酸素と混合して作業または
医療吸気に利用するほか、溶接雰囲気、冷却、熱媒体、
気球などさまざまな用途がある。
安定同位体*にはヘリウム3と4があり、
(*元素にはそれぞれ中性子の数が違うものがある。)
ヘリウム4を液化して2K以下にすると、熱伝導度が非常に大きく、
(熱がめっちゃ伝わりやすくなり、)
粘度が非常に小さいヘリウムII相となり、この状態では超流動*の現象が起きる。
【超流動*...液体の粘性抵抗が(どろっとしたような状態では摩擦が生まれる。
それを粘性抵抗という。)消失した状態のことで、容器の壁をのぼって
それを粘性抵抗という。)消失した状態のことで、容器の壁をのぼって
外にこぼれ出したり、原子一個がやっと通れる程度のすき間に浸透したり、
さまざまな常識を覆す現象が見られる。】
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↑本来ならかさが上にあるので 液体がかさの中に入ることは本来ならあり得ない |
4、何でヘリウムを吸うと声が変わるの?
先述した通り、ヘリウムは「空気よりも密度が小さくてしかもめちゃくちゃ軽い」
という特徴がある。
そもそも声とは、声帯が発した音が、声帯から喉までの間、
"声道"で共鳴して外に響くというものです。
通常、肺に入っているのは空気である。
肺にヘリウムガスが入ってくると、
声帯の発した音は空気の時よりも伝達速度が速くなります。
声帯の発した音は空気の時よりも伝達速度が速くなります。
これに比例して、声道で共鳴する回数は多くなる。
つまり、声の波長が短くなるから、外に響く音は高い音になる。
※市販で売られているヘリウムガスは多少の酸素を含んでいるため肺に吸いこんだとしても、
血液中に溶けることはなく、人体に影響を及ぼさない。
しかし、気球用のヘリウムガスは100%のヘリウムであるので、
一気に吸うと、脳に酸素が行かなくなり、
一気に吸うと、脳に酸素が行かなくなり、
最悪の場合、死につながるので、ヘリウムガスを吸うときには要注意!!
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