
1,超対称性とは
物質粒子であるフェルミオン(フェルミ粒子)と
力を伝える粒子であるボソン(ボース粒子)の入れ替えに対応する対称性のこと。
英語のスペルを略してSUSY(スージー)ともよばれる。
この対称性を取り入れた理論は超対称性理論とよばれ、
超ひも(弦)理論や超重力理論などがある。
フェルミオンはスピン1/2などの半整数値のスピンをもち、
物質を構成するクォーク(陽子や中性子を構成する)やレプトン(電子など)などからなり、
同じ量子状態には一つの粒子しか存在できない(パウリの排他律)フェルミ統計に従う。
一方、ボソンはスピン1などの整数値のスピンをもち、
力を伝える光子(電磁力)やグルーオン(強い力)などからなり、
同じ量子状態に多くの粒子が存在できる(力が強くなれる)ボース統計に従う。
すべての素粒子に鏡像関係にあるペアの超対称性粒子の存在を予想して、
このようにまったく違うものと考えられる二つの粒子間の入れ替えに関する対称性を考えるのは、
現在主流の標準理論で発生する不都合を解決するために都合がよいからである。
現在、素粒子が点ではなく小さな弦の振動状態であるとする
ひも(弦)理論に超対称性を取り入れた超ひも(弦)理論や、
重力に超対称性を取り入れた超重力理論が精力的に研究されている。
またヒッグス粒子と同様に、CERN(セルン)(ヨーロッパ原子核研究機構)で
超対称性粒子も発見することを目ざして実験中である。
[山本将史]

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