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1,巨視的社会学・微視的社会学とは
フランスの社会学者ギュルビッチの用語。
一般社会学の研究分野は、
(1)社会的交渉の諸形態、(2)集団、(3)包括的(全体)社会に分けられ、
そのうち(1)を微視的社会学の領域とし、(2)と(3)を巨視的社会学の領域とした。
微視的社会学での分析は、「われわれ」における社会的交渉の諸形態と、
各主体相互の「他者関係」における社会的交渉の諸形態に分けて行われ、
さらに前者はその結合の強さに応じて大衆、共同社会、
一体化の三つに分けられる。
このような社会的交渉の諸形態は抽象的かつ一般的な分析単位であり、
現象としては日常的に反復して出現するものであるが、
それらが特定の構造をもつようになると集団として具体化されるようになる。
この抽象的な社会的交渉の形態学に対して、
やや具体的な個別の集団の諸類型を研究する分野と、
この集団によって構成され、もっとも具体的に歴史上実在する
包括的社会の諸類型を研究する分野とが巨視的社会学の領域である。
集団は、社会的交渉の諸形態が特定の構造化を示す社会的枠組みであるから、
抽象から具体へと自己を実現し、したがって観察が可能となる。
包括的社会は、
一方で集団と社会階級、他方で社会構造の研究によって類型化が可能となる。
彼は微視的社会学を重視した。
[田原音和]
『G・ギュルヴィッチ著、寿里茂訳『社会学の現代的課題』(1970・青木書店)』
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