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アダルトチルドレン









1,アダルトチルドレンとは



adult children を略してACともいう。

1980年代に米国で,アルコール依存症の治療の中から生まれた概念。

アルコール依存症の親のもとで育ち,親から受けた傷を〈自分のせいだ〉と

受け止めてしまう人々を指して使われた。

その後,アルコール依存症の親に限らず,折檻(せっかん)や小児虐待(ぎゃくたい)など,

精神的・肉体的に不安定な親との関係のなかで,心に深い傷を負い,

大人になってもそのトラウマ(心的外傷)に悩まされる人々を指すようになった。 

アメリカ大統領のクリントンが,自ら,自分がアルコール依存症の養父に

虐待されて育った〈アダルト・チルドレン〉であると告白し,話題となった。

日本では,1995年に同名の本《アダルト・チルドレン》(西山明著)が,

1996年には《アダルト・チルドレンと家族》(斎藤学著)が出版され,

自らを〈アダルト・チルドレン〉と認識する大人が急増した。 

周囲の期待に添うようにしか振る舞えない,他人の意見にノーと言えない,

他人に自分を知られることを恐れる,変化を嫌うなどが特徴。その結果として,

自己嫌悪,被害妄想摂食障害などを引き起こす。




また,親と同様に,自分の子どもとの関係をうまく保てず,

不安定な家庭を持つ傾向があり,自分が幼い時期に虐待を受け,

それを嫌悪し,やめたいと思いながらも我が子への虐待をやめられない人も少なくない。 

しかし,アダルト・チルドレンは精神医学的に認められた病気ではなく,

定められた診断基準もない。

治療法として,日本でも集団的セラピー(治療)が行われているが,

米国では,治療の結果,父親からの性的虐待の記憶が回復し,

娘が父親を告訴するというケースも起きている。


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性暴力家庭内暴力外傷後ストレス障害

出典 小学館 日本大百科全書

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