ポストモダンとは
ポストモダンは、昔の考え方やルールに挑戦し、新しいアイデアやスタイルを受け入れる考え方である。
現代フランスの哲学者リオタールが著書のなかで用いて、広く知られるようになった。
昔は、絵画や建築、文学などの芸術や文化では、特定のスタイルやルールに従うことが重視されていた。
しかし、ポストモダンでは、それらのルールやスタイルが柔軟になった。
例えば、昔の絵画ではリアルな描写が重要視されていたが、
ポストモダンでは抽象的な表現や様々なスタイルが評価されるようになった。
また、物事の意味や価値も一つに決まらないという考え方もポストモダンの特徴である。
一つの作品が人々に異なる感情や解釈をもたらすことがある。
ポストモダンは、多様性や自由な発想を重んじる傾向がある。
これにより、様々な文化やアイデンティティが尊重されるようになった。
ポストモダンの世界では、従来の枠にとらわれず、新しい価値観やアートの形が生まれる可能性が広がっている。
哲学者リオタールによれば、近代においては
「人間性と社会とは、理性と学問によって、真理と正義へ向かって進歩していく」
「自由がますます広がり、人々は解放されていく」といった
「歴史の大きな物語」が信じられていたが、
情報が世界規模で流通し人々の価値観も多様化した現在、
そのような一方向への歴史の進歩を信ずる者はいなくなった、
とされる(『ポスト・モダンの条件』1979年)。
また、ポストモダンという言葉は、ポスト構造主義の思想傾向を指す言葉としても用いられ、
その際はポスト構造主義とほぼ同義である。
唯一の真理をどこかに求めようとする思考を徹底的に批判しようとしたデリダ、
近代は自由を求め拡大したのではなく、
むしろ人々の内面と身体を管理する技術を発達させたと述べたフーコーなどは、
共に、近代的な物語を解体しようとした思想家として見られるからである。
(西研 哲学者 / 2007年)
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