その6←ここをクリック
部屋に戻ると椅子に座り、しばらくの間ぼーっとしていた。
なぜ母は僕に成績のことを口出ししてくるのだろう?
普通、受験生でもある妹の方に言うべきなんじゃないか?
まぁ、きっと更年期で気が立っているのだろう。
そういうことにしておこう。
自分の気を静めていると、ふと西山のことを思い出した。
彼女は怒られたことはあるのだろうか?
ふと疑問に思った。
そりゃ軽く怒られたことはあるだろうけど、
僕のように親にダメだしされたり、
先生に本気で怒られたことは果たしてあるのだろうか?
イメージが湧かない。
あんな可愛い子を本気で怒ることができる大人がいるだろうか?
同性ならいけるのかもしれないが。
それでもあの子が泣いたとしたら、
まるでこっちが悪いのかと罪の意識にかられるだろう。
もし僕が次に生を授かったとしたら、あんな子でありたいものだ。
誰にも笑顔を絶やさずに、周りも笑顔が絶えない。
どこにいようが一軍の長になり、二軍や三軍にも優しい言葉をかけてくれる。
しかしひねくれた僕には彼女の笑顔や台詞が
大衆受けするように作られたまがいものにしか見えなかった。
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