
僕の右隣の席の少女、平木尊、以前そこは空白だった。
しかしこの座席に触れる機会は何度かあった。
といっても、僕が先週と昨日、
掃除係になった時に床を掃除する為に移動させた瞬間だけだ。
…いや、思い返せばまだあった。
入学式から一週間程度は、学校に関するアンケートや親に渡すプリントが
それこそ山のように配られたので、隣の席の僕は彼女のプリントを整理するために、
机の中をまさぐったことがある。
いや、この言い方は何やら語弊がありそうだな。
しかし、これだけ触れていようとそこに生気というか
本来なら人がいるという事実を一向に感じることが出来なかった。
まぁ、誰も座っていないんだから、それが当たり前なんだろうけど。
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